ひとり旅は楽し
かつて中央公論に掲載された著者の旅に関する随筆をまとめたもの。この著者の作品は外に「ドイツ町から町へ」「なぜかいい町、一泊旅行」というのを最近読んでいる。旅に関する随筆ではこの人の作品は大変に面白い。一体どういう人なのかと思うが、そんなことは知らなくてもいいのだろう。
「のんびりするには勇気がいる。知恵がいる。我慢がいる。」「旅に出られる日は、いつもあるとはかぎらない。人生の特別の祝日であって、なるたけ帰りの日や時間を気にしない。」などと旅の達人でなければいえない言葉がちりばめられている。
これまで読んだ本と同様、著者の博識には驚かされるし、それに支えられた文章は大変に興味深い。こういう文章を書いてみたいものだ。
ただ、どうも、私のたびは著者の旅とは違うようだ。著者の旅はひとり旅。旅とは一人でするものである、という著者の考えによればあたりまえなのだが、相棒がいてはダメなのか。著者は、旅は非日常であるとしているが、私はもう一つの自分の世界、もうひとつの私の日常と思う。であれば、相棒がいたっておかしくはない。ただ、相棒と足を引っ張り合うのでは旅の意味はないのだが、より大きな世界が出来るのではないかとも思う。勿論、自由自在な旅行と言うわけにはいかなくなるし、一人旅とは意味合いが全く異なるのだが。
大変楽しい読み物だった。
2009年01月26日
ひとり旅は楽し
池内 紀 中公新書
1742 中央公論社 2004年4月25日| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
